楠本 勝三氏(ヴィーガンレストラン「菜道」シェフ)
食の多様性が求められる現代において、ヴィーガンやフードダイバーシティ対応の料理が注目を集めています。その最前線で活躍するのが、東京・自由が丘にあるヴィーガンレストラン「菜道(さいどう)」のシェフであり、東京観光大使も務める楠本勝三シェフ。フレンチと和食の技法を融合させた独自のスタイルで、2019年には世界最大のヴィーガンレストラン情報サイト「HappyCow」で世界1位を獲得するなど、国内外から高い評価を得ています。
そんな楠本シェフが、ノンアルコールスパークリング「Celeble(セレブレ)」のアンバサダーに就任しました。ヴィーガンの枠を超え、多様な食文化に対応するためにセレブレを選んだ理由とは? セレブレを通じて広がるこれからのフードダイバーシティの在り方と可能性についてお話いただきました。

食のシーンを豊かにするセレブレという選択肢
ヴィーガンやフードダイバーシティ対応の料理が注目される中で、ノンアルコールドリンクの選択肢も広がりつつあります。
セレブレを初めて飲んだとき、その味わいの完成度に驚きました。ノンアルコール飲料でありながら、ワインやシャンパンを飲んでいるような気分を味わえます。酸味とコクのバランスが取れており、ジュースとは異なる本格的なスパークリングワインの風味が楽しめるのが特徴です。アルコールを飲まない方だけでなく、普段お酒を楽しんでいる方でも満足できる仕上がりだと感じました。華やかな風味と奥行きのある味わいが、食事のシーンにぴったりです。
日本の飲食店では、分厚いワインリストがある一方で、ソフトドリンクの選択肢が限られていることが多いですよね。これは非常にもったいないと感じています。特にインバウンド需要が高まる中で、イスラム教徒の方や一部の台湾のベジタリアンの方など、アルコールを飲まないお客様も増えています。こうした背景を考えると、ノンアルコールドリンクの充実は、今後の飲食店にとって必要不可欠な要素になってくると思います。
また、今の若い世代はアルコールを控える傾向があり、過去の世代と比べても飲酒量が減っています。こうした変化の中で、飲食店がソフトドリンクのメニューを充実させることは、これからさらに求められるようになると思います。
そうした状況の中で、セレブレのようなノンアルコールスパークリングは、単なるソフトドリンクではなく、食事とのペアリングを楽しめる本格的な選択肢として、飲食店の価値を高める存在になると思います。色もきれいでボトルデザインもスタイリッシュなため、家庭で楽しむだけでなく、レストランやホテルなどの外食シーンにも相応しい、特別なソフトドリンクの存在はとても大切だと感じます。
誰もが楽しめるドリンクで食の垣根をなくす
セレブレは、誰もが安心して楽しめる「フードダイバーシティ対応ドリンク」として、大きな役割を果たせると思います。お酒を飲む人も飲まない人も、ヴィーガンの方や宗教上アルコールを避ける方、妊娠・授乳中の方、運転をする方など、さまざまな立場の人が一緒に楽しめます。アルコールを一切含まないため、国や年齢、宗教の枠を超えて、同じテーブルで同じものを味わえるのが魅力です。特に、海外からの観光客が増え、ヴィーガンやムスリム対応の重要性が高まる中で、セレブレは「誰もが選べる一杯」として、飲食店やホテル、パーティーシーンなどでますます求められる存在になっていくと思います。
また、休肝日や体調を考えて飲酒を控えたいとき、運転が必要なとき、昼間の会食など、アルコールを避けたいシーンでも自然に取り入れやすいのも魅力です。華やかな見た目で特別感を演出できるうえ、本格的な風味が楽しめるため、お酒好きの方でも満足感を得られると思います。特別なシーンだけでなく、家庭でも気軽に楽しんでほしいですね。


ノンアルの選択肢を広げる重要性。セレブレが生む新たな価値
私は今、フードダイバーシティの実現に向けた活動を行っています。その根底にあるのは、「みんなでひとつのテーブルを囲み、楽しく食事をしましょう」という考え方です。ヴィーガンレストランのシェフとして多くの場でお話しする機会がありますが、その中で強く感じるのは、食の多様性を支えるのは料理だけでなく、ドリンクの選択肢も重要だということです。
私の店はヴィーガンレストランなので、ヴィーガンスペックのビールやワインも数多く取り揃えていますが、ムスリム対応(イスラム教の戒律で豚肉・アルコールが禁忌)を求めて来店されるお客様も多くいらっしゃいます。特に、ムスリムの方や健康を意識する方からは、ノンアルコールドリンクを希望されることが少なくありません。しかし、飲食店で選べるノンアルコールドリンクは、烏龍茶やオレンジジュースなど限られたものになりがちです。でも、お酒を飲む人も飲まない人も、外食の際には普段とは違う特別なドリンクを楽しみたいと思うのは自然なことですよね。
そう考えると、セレブレのような華やかで本格的なノンアルコールスパークリングがあることは、お客様にとっても嬉しいですし、飲食店にとっても提供の幅を広げる大きなメリットになると思います。
食事の場には、体質的にアルコールが苦手な方、運転があるため飲めない方、宗教上の理由でお酒を飲めない方など、さまざまな人が集まります。そんなとき、お酒を飲む人も飲まない人も、同じテーブルで一緒に楽しめるセレブレのような存在があることは、食の多様性においてとても意味があると考えています。

楠本 勝三(くすもと かつみ)
1975年岡山県生まれ。都内のホテルやレストランでフランス料理の修行を積むも、繊細な味わいに魅了され和食へ転向。複数の和食店で研鑽を重ね、フレンチの技法を取り入れた独自のスタイルを確立する。2018年、東京・自由が丘にヴィーガンレストラン「菜道」(https://saido.tokyo/)をオープン。2019年、世界最大級のヴィーガン・ベジタリアン向けレストラン情報サイト「HappyCow」にて世界1位を獲得。2023年1月には、外務省が設置した対外発信拠点「ジャパン・ハウス ロサンゼルス」にてポップアップレストランを展開。また、2023年2月より「東京観光大使」を拝命。ヴィーガンにとどまらず、宗教や食物アレルギーなど、フードダイバーシティ対応の実現に向けて国内外で活動を続けている。